枯山水庭園
- nakakienhrk
- 2021年6月8日
- 読了時間: 2分
本日は枯山水庭園についてです。
枯山水(かれさんすい)とは、その読み方の通り、水のない庭園のこと。
池や川などの水を用いず、砂や石、石組(いわぐみ)の組み合わせによって山水の自然景観を表現しました。
また、枯山水は禅宗寺院で発達し、「この世と死後の世界を繋ぐ庭」という意味を持っています。庭園にあの世(死後の世界)を作り、あの世を思いながら瞑想することで、極楽浄土へと導かれるというものでした。
岩や砂によって山や生き物を表現する枯山水は、庭園全体が一つの宇宙という抽象的なもの。それぞれの意味を考えることで、禅の魅力の理解へと繋がっています。

その起源は遡ること古代まで。自然崇拝の時代からある磐座(いわくら)・巨石信仰から神社が発祥したとされています。巨石は動かせないため、平安時代には庭の隅に石組を造る庭園へと発展したと言われています。
鎌倉時代には、禅宗の宗教観を表現するべく、石・砂で水を表現するようになりました。

庭だけでなく、その背景にある山や風景までもその構成に取り込んで、1つの世界を造ることです。
借景(しゃっけい)は元は東アジアから発祥していた造園技法と言われており、「借景」という用語は中国庭園から生まれました。
石庭で有名な龍安寺も、かつては借景が魅力でしたが、近年では電線や現代的な建物が入り込んでしまい、借景の景観が崩されていることもあります。
枯山水といえば、白砂を連想する人も多いのではないでしょうか。
白砂を平に敷き、砂紋引きで優雅に描かれたいくつもの線。美しく整えられた模様は、水の流れを表現しています。
この砂紋は寺のお坊さんが朝早くから引いており、禅宗の修行にも通じています。
同じように見えて、実は日本に2000種類以上存在するといわれている苔。
色や質感は、季節やその環境によって大きく変わり、枯山水の表現に欠かせない存在です。
主にヒノキゴケやオオスギゴケ、コスギゴケが使われています。

禅宗の宗教観から死後の世界へと繋がる枯山水。
構成する石や砂は、1つ1つに深い意味があり、知れば知るほどその魅力が味わいを増します。
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